カテゴリ
全体 硫黄島からの手紙 ラストサムライ 北の零年 SAYURI 明日の記憶 謙さん作品 謙さん に演じてほしい役柄 日本映画 映画の周辺 本の感想 Music Myタイガース ろーぐ About 未分類 以前の記事
2012年 02月 2009年 10月 2009年 06月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 06月 2008年 03月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 09月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2004年 06月 ご案内
|
さて、いつかは時代劇を一作は演じてほしいと思っている渡辺謙さん。この「瀧口入道」の斎藤時頼役はどう?、なんて以前から思っています。
「瀧口入道」という小説は、平家物語に材を得て高山樗牛が1893年(明治26年)読売新聞の懸賞小説に応募、二等入選(一等なし)し、同紙に連載されたものです。明治時代の作品ですが、文体はさらに古い時代の文に擬した擬古文です。 物語は、平重盛の侍である斎藤瀧口時頼という23歳の武士(平家物語では19歳)が、平清盛の催す花見の宴の終わりに横笛という少女の舞に魅せられ、一刻も忘れられなくなります。 要するに、時頼の一目惚れの恋愛であって、それが横笛の心を打ち、当時としては道ならぬ恋ということになって、プラトニックな純愛に終わり悲しい結末を迎える、というお話しです。樗牛の小説のままではありませんが、こちらの高野山大圓院のHPの「滝口と横笛」の項に、お話が要領よくきれいにまとめられています。 私は、岩波文庫の星ひとつ(当時50円だったか)のこの小説を思春期に読んで、心ときめいたのを覚えています。擬古文ということで、正確な意味は分からないところもあるのですが、冒頭の「やがて来む寿永の秋の哀れ、治承の春の楽みに知る由もなく・・・」というような華麗な文章のリズムが心に入ってきました。まぁ、何といっても恋に恋する年頃でしたしね。 今でしたら、青空文庫などでフリーに読むことができます。昔の日本語ですからエキスパンドブックファイルなどで日本語本来の縦書きで読むのがお勧めです。でも、今日では多くの方々にとっては、擬古文のこの文章はちょっと難しいかもしれません。 身分違いということでの悲恋ですから、古くさくて今日的ではないかもしれませんが、時代劇での純愛ものではこれに優るものはないと私は思っています。 多くの人にこの小説の良さを分かってもらうために、また、自身もこの小説を映像で見たいと思い、この小説の映画化ができたら良いのになぁとずっと思ってきました。私がイメージするのは、かつての大映時代劇の総天然色映画の色調に、幻想的な色合いを加えたものです。 けれどもこのお話しは、余りにも単純なストーリーなので、今日の映画としては成り立ちにくいかもしれません。 古くは、阪妻の「瀧口入道 夢の恋塚」という映画があり、舞台演劇としてなら、舟橋聖一氏の「瀧口入道の恋」とかありますし、昔は多くの人に知られたお話しだったはずです。 まぁ、この「瀧口入道」については、この小説の映画化したものを私が観たいものだと、かねてから考えていただけのものです。 でも、渡辺謙さんについて知るにつれて、この“性濶達にして身の丈六尺に近く”という純朴な時頼の役は、大柄でそんな雰囲気のある渡辺謙さんにピッタリだなぁと思ったのです。(ちなみに、北条時頼とは関係ありません。念のため) 時代的には「炎立つ」に近い時代のことでしょうから、東北地方と京都周辺という違いはありますが、衣装とかでイメージされるには、「炎立つ」が参考になるかもしれません。 映画では「独眼竜政宗」の20代の頃ならともかく、今の謙さんではさすがにちょっとしんどい役柄です。将来、第二の渡辺謙になろうという有望な若手俳優が演じるのが、ふさわしいとは思います。 けれども舞台の上なら、謙さんの若武者ぶりが観られるかもなぁ、なんて考えます。
by miki-hirate
| 2007-06-07 23:33
| に演じてほしい役柄
|
ファン申請 |
||